ベトナム経済市場レクチャー
2012年10月5日(金)
ホーチミン市レジェンドホテルにおいて、日本企業のベトナム進出支援の専門家である株式会社マック&サンク社より、成長著しいベトナム経済についてレクチャーを受けた。
人口と経済のポイント
- ベトナムの人口は8,700 万人。中位年齢28.5 歳、人口の50%は30歳以下。
この若い人口構成が豊富な労働力を提供し、2049年までには市場を拡大させる。 - 年間100万人ずつ人口は増加し、市場はこれからも安定的に成長、拡大する。
- 人口の約3分の1が都市部に暮らし、その40%が主要6都市に暮らす。この6大都市では、アッパーミドル層が着実に立ち上がりつつある。特にホーチミン・ハノイの2都市の郊外エリアは富裕層向けの高級マンションの建設ラッシュが続いている。(120 平米で約3,000 万円)今後、このエリアでの消費が急激に活発化する事が予想される。
- この10 年間にABC 所得者層は50%以上に上昇。
可処分所得の増加は、「新しいことを経験したいという願望」をより強くし、この増加する富 裕層が新しい消費スタイルとライフスタイルを創出し、半数を占める中流層が消費の牽引役となる。 - 経済成長によるインフラの拡充や不動産の急成長が、さらにGDPを押し上げる。
物価
消費者意識と消費トレンドのポイント
- 健康志向の高まり
- より高い教育への要求(KUMONなど進出)
- 国際感覚の高まり(海外旅行、留学増)
- 美容と健康に熱心な主婦たち(女性の80%%は仕事を持っている)
- ITの増加
- 金融商品の流出(現金主義からATM、カード利用へと変わりつつある)
美容市場
2012年現在で約500億規模。特にヘアケア商品が対前年30%UPしている。
髪に対しての意識は高い。
株式会社マック&サンクに対する質問
Q : 在ベトナム韓国人が5万人でファッションの影響も受けていると聞くが、ヘアサロンは韓国サロンが多いか?
A : ほとんどがベトナム人経営だが、使う商品は韓国製が多い。韓国ドラマの影響が大きい。
Q : ベトナムのイメージで黒髪のイメージがあるが、ヘアカラーの意識はどうか?
A : この4~5年でドラマの影響で染める人が急増。1回染めたらやり続け、髪が傷むからヘアケアにお金をかけている。
スーパーでヘアカラーを買って、美容室に持っていって染めてもらう。
Q : 給料に対してヘアカラーが高いと思うが、外国製が多いからなのか?
A : ほとんどが外国製。中国製などは安いが質が悪い。
Q : 日本で学ぶ人は増えているのか?
A : ネイルサロンで勉強してベトナムに戻る人は多くステータスである。
Q : リテールとサロンの垣根の意識はあるのか?
A : エステなど専用の商材がまだ少なく、リテールとサロンは同じものが多い。
ただし、輸入品も増えてきている。
Q : 貨幣価値について。日本円で1,000円がベトナムでは10,000円の価値と感じるが?
A : 物によって違う。携帯電話がベトナムでは100,000円と高い。ただし生活品はすごく安い。
Q : バイクの数がすごく、女性もおおいためヘアスタイルがどういう状態なのか?
A : ヘルメットは規制されているため、ヘアスタイルはロングが多い。結婚式は相乗りでタクシーを使う。
結婚パーティは2~3回行う。1回の招待は300~500人集める。
Q : 副業が盛んなのは、特に法律で規制されていないからなのか?
A : 特にない。週末は友達と違う会社を起こし、独立心が旺盛なため、離職率も高い。
人と流動性もあるが、義理人情も高いためどこかで歯止めはある。
Q : 社会主義国家の問題は?
A : 資本主義的で安定している。中国で日本のODAがどう使われているかわからないが、ベトナムは明確にして、日本の協力でインフラが整備されているのは国民皆知っている。
Q : ベトナム人の気質は?
A : 日本人が真面目過ぎて、時間に厳しく管理もしっかりしている。
ベトナムでは途中経過は曖昧で、納期など約束は守るが・・・日本人ももう少しルーズでもいいのでは。
集合時間は2時間くらいの幅がある!時間通りに集まるのはほとんどない。
Q : ベトナム人は毎日シャワーをあびて、毎日シャンプーする?
A : 毎日する。ただし、仕事に行く前にサロンに寄る週間はあまりない。
Q : 田舎から都市部に出稼ぎに来ることは多いのか?
A : あまりない。移る時は家族全員で。(地方に工場をつくり、その近くで労働者を雇うケースが多い。)
Q : 関税は?
A : 化粧品の関税は22%。付加価値税が10%。
Q : ヘアケアはスキンケアより高い市場というのは意外だが?
A : スキンケアの市場が遅れて入ってきたため。ただし、最近は外資系メーカーの広告がすごい勢い。
Q : ローカル企業について
A : ローカルだからと言って甘くみない。ローカル飲料メーカーでは年末年始などにお金もかけて、グローバル飲料メーカーの売上げを抜いたりしている。
Q : 知的財産の意識は?
A : まだまだ低いが、中国よりも高い。
Q : 熱帯地域でストレートパーマの需要はどうか?
A : 高い。暑いからではなく、ファッションとして流行っている。
Q : インターネットで化粧品を買う通販はどうか?
A : ネットで商品ではまだ少ない。実際カード決済率が低くネットで商品を見て実際に店に来て買う。日本とは逆。