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アルミ工場視察 報告

2015年10月13日(火)
Amata 工業団地内にあるミルボンタイランドより車で30 分程にあるアルコン工場で松井氏より話を伺い、工場視察をおこなった。

アルコン工場について

アルコン工場は、Leam Chaban 港に近く、パイプラインにて天然ガスを安価に 使える好立地にあり、当工場の面積326,000 平米は東京ドーム8個分 に相当する。社名の由来は、Aluminum Container から取っている。 ほぼ世界中(40カ国超)と取引しており、取引高の多い国は、 1位日本(売上構成比20%)、2位南アフリカ、3位オーストラリアである。

アルミニウム容器で、アジア生産量第1位(第2位は親会社の武内プレス) を誇る。操業当初はハミガキチューブを製造しており、最多で年間1億本 以上製造していたが昨年はついに0本となった。エアゾール缶は、デオド ラント・ヘアケア・室内芳香剤・フェルトペンのボディ等に用いられており、 アルミチューブは、ヘアカラー・医薬品・瞬間接着剤など化学的特性の強い 剤に用いられている。

また、スラグの製造量はアジア1位であり、世界でもおそらく3位以内である。
製造したスラグの1/3は自社で使用し、1/3は武内プレスに供給、残り1/3 は競合他社に販売している。

アルコンスタッフと記念撮影

工場見学

スラグ工場

まず、アルミニウムのインゴットを溶解炉で溶解する。 電磁誘導スターラ(攪拌装置)を用いることにより、エネルギー効率15% 向上・ロス25% 削減・溶解能力25%向上を実現。

スラグ工場の様子

次に、連続鋳造(連鋳)、圧延。
連鋳時、チタンボロンを混ぜると、アルミニウムの凝固時に肌理(きめ) が細かくなる。圧延は、冷間圧延を用いており、コイルになるアルミ板の 厚さは、最薄で4.5mm、誤差は0.05mm である。
最後に、コイルになったアルミ板を展開し、スラグの形状(例えばコイン型) に打ち出し、残りのアルミ板は溶解して再度スラグ加工ラインへ。 打ち出されたコイン型のアルミを焼鈍(焼きなまし)して、スラグの完成。

アルミコイル、完成したスラグ各種

アルミチューブ工場

スラグをプレス加工機で一気に押し出し、亜鉛を含む潤滑剤を用いること で、チューブの形状(ロッド:筒状)への加工を容易にする。 焼鈍(焼きなまし)では、缶のような硬さになったロッドを、アルミチュー ブとしての用を成すよう軟化させると同時に、潤滑剤を除去する。 内部塗装で内容物からチューブを保護する被膜をつけ、外部塗装で外観の ベースとなる地塗りを行う。 印刷は、6色を同時に行い、シール剤付けではチューブに内容物を充填し た際にシールする箇所(開口部)へゴム製の接着剤をつける。 パッキングは手詰めで行い、焼鈍や乾燥(180℃)など加熱する工程は、天 井を隔てた2階部分にて行う。

アルミチューブ工場内の様子

エアゾール缶工場

2011年竣工されたエアゾールを製造する第8 工場は、エアゾール缶の直径 ごとに4ライン設置されている。 潤滑剤を用いてスラグをプレス加工機で打ち出すまでの工程は、アルミ チューブとほぼ同様。 仕様に応じて開口端を切り取って長さを揃え、潤滑剤はアルカリ洗浄にて 除去する。内面塗装では、スプレーガンにてエポキシ樹脂を噴射塗装し、 外部塗装では、カメラにて画像認識を行うことで、印刷ミスや文字化けの チェックを行う。 一工程の加工機でトラブル等による停止が生じても、他の工程の稼動に影 響を及ぼさないよう、工程間でバッファとなるコンベアを設置している。 ネッキング(缶口を絞り、縁を外側に巻く工程)では、加工機(ネッカ) にて段階的に徐々に口締めを行う。

工程間にあるバッファコンベア

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