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NBBA交流委員会 
特別オンラインセミナー レポート

開催日時:2022年10月25日(火) 13:00~14:30
開催方法:Zoomウェビナー
講師:臨済宗妙心寺派 泰岳寺 泰丘良玄氏

テーマ:「当たり前の有難さに気づく禅の教え」~コロナ禍でもマインドフルに生きる幸せの見つけ方~

2022年度2回目となるNBBAカレッジは、前回に引き続きオンラインセミナー形式(Zoom)で開催いたしました。講師の臨済宗妙心寺派 泰岳寺 泰丘良玄氏は、慶応義塾大学理工学部を卒業後、花園大学文学部国際禅学科を卒業。その後、名古屋にある徳源寺専門道場にて参禅修行。理系から仏門の道に入った異色の経歴の持ち主。現在は、室町時代からつづく禅寺の副住職を務めておられます。

仏教とは

心安らかに生きるための智慧袋であり、禅とは己事究明。自分自身の心を見つめていく教えと実践。
自己を取り巻く外部環境によるストレスを、自分自身の意識を変えることで世界の見方を「味方」に変える、その手段がヨガや禅そしてマインドフルネスである。
※マインドフルネス…「ただ目の前のことに集中している」心の状態。今この瞬間に感謝して生きる。

日常会話にみる仏教の言葉

1. 檀那(旦那)  意味:見返りを求めない施し
※檀那(旦那)=ダーナ(サンスクリット語)=布施=ドナー(英語) 

2. 働く 意味:自分の為だけでなく身近な人を楽、幸せにする
※働く=傍楽(傍を楽にする) 

3. ありがとう(有難し) 意味:有る事が難しい状態
※ありがとう(有難し)⇔あたりまえ  

坐禅の実践

1. 姿勢を調える(調身)
お尻を下に座布団などを当て、片足をもう片方の太ももの上にのせる。
※可能であれば、反対の足をもう片方の太ももにのせる。

2. 呼吸を調える(調息)
臍下5センチ程の丹田を意識して、ゆっくりと腹式呼吸を行う。
鼻から吸って口から吐く。長く深く、最後まで吐き切ることが大切。
※10秒呼吸法(1~3で吸い、4で止めて、5~10で吐く)

3. 心を調える(調心)
何も考えない「無の境地」を目指す。
※集中できないときは自分の呼吸を数える「数息観」

日常生活の一つ一つの「行いを修める」ことで、マインドフルに生きる!

・規則正しい生活をしてみる!
・玄関で靴を揃えてみる!
・起床後や就寝前に坐禅をしてみる! 

質問

Q. ブログにあった「丁寧に生きるという言葉に感銘を受けた。忙しい毎日だとつい雑になってしまう日々の中でも大事にしている習慣はあるか?

A. 一番心掛けているのは風呂掃除。どんなにしんどくて夜遅くても必ず行う。
自分自身の中で達成感と良いことをした、と感じることで心がすっきりする。
しんどいときはもっと簡単なことでも良い。
朝は必ずおかゆを食べる。この2つをルーティンにしている。簡単なことでもルーティンを作ると良い。

Q. 仕事とプライベートを分けることの難しさを感じているが、住職という職業は特にそのすみ分けが難しいのではないかと感じるが、どのように切り替えているのか?また、ストレスはどのように解消しているか?

A. 一休さんのセリフで「気にしない気にしない一休み一休み」の言葉を大事にしている。
あまり仕事とプライベートは分けないが、どうしても区別がつかなくなったりする場面では、そのセリフをイメージし、気にしない気にしない、なるようにしかならないという精神を持つようにしている。

Q. ためになる話や情報を聞くと実行には移すものの、継続できない。継続する秘訣があったら教えてほしい。

A. 無理をしないこと。例えば、「ととのえる」には2つあり、・調える…正解がない場合 ・整える…正解がある場合などがある。仏教の場合は調える、を使う。調味料は人によって好みに対して使う量が異なるように、坐禅もまたその人にあった仕方がある。何かを行う際も無理をせず自分に適した形にその行動を調えていくのが良い。

まとめ

自分自身と見つめあう、その時間を作るのが坐禅。坐禅には、これといった決まりがあるわけではなく、自身と見つめあい、無心となれる姿・姿勢を調えていく。その調えるという行動が自然とできたときに人は百丈禅師やダライ・ラマ法王のように今が一番幸せという境地に近づいていけるのではないかと感じた。少しでも当たり前の有難さに気づけるよう、自分の意識を自分なりに調えた生活を送っていきたい。

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