NBBA 特別オンラインセミナー レポート NBBA 特別オンラインセミナー レポート

NBBA交流委員会 特別オンラインセミナー レポート

開催日時:2022年2月15日(火) 13:00~14:00
開催方法:Zoomウェビナー
講師:テラサイクルジャパン代表ならびにLoop Japan代表 エリックカワバタ氏

テーマ:~捨てるという概念を捨てよう~『テラサイクルから学ぶ、リサイクル/リユースのすすめ』

2022年のNBBA特別セミナーはZoomによるオンラインで開催いたしました。
講師のエリックカワバタ氏は、金融機関の法律顧問、投資銀行役員、サステナビリティ 関連のNPOなどを歴任。現在、米国テラサイクルのアジア太平洋統括責任者および 米テラサイクル子会社Loopのアジア太平洋統括責任者を兼務されています。

テラサイクルとは

●米国に本社があり、社会貢献が目的の会社。廃棄物を減らすことがミッション。
経済的合理性がないためリサイクルしていなかった物までリサイクルを可能にする取組みを展開。
廃棄物から物を作ったり、リユースも応援している。

●テラサイクルはリサイクル界のグローバルリーダー。2014年に業務を開始した。
・世界22カ国で様々なリサイクルプラットフォームを展開。
・新たなリユースプラットフォーム「Loop」を世界各国主要都市にて展開中。

テラサイクルの事業内容

①学校、小売店、行政と組んでリサイクルを展開。
②環境問題になっているゴミを回収してリサイクルする。
③リサイクルだけでは廃棄物を減らせないのでリユース(「Loop」による事業)も行っている。

◎日本の廃プラは焼却する熱回収も含まれており、原料にもどす循環型リサイクルは20%以下。毎年900万トンの廃プラを出しており1人当たりの量は世界で2番目に多い。
◎ビジネスモデル「Loop」というシステムは世界経済フォーラムの公式認定事業になっている。600社以上の企業とパートナーシップを組んでおり、小売店も含めると4万社弱 になる。

協働事業の事例

●プラスチックゴミで、TOKYO2020オリンピック表彰台制作
海洋プラスチックに配慮した取り組み。GMSやドラッグストア2,500店舗に、洗剤・柔軟剤・ヘアケア製品を対象にした回収ポイントを設置し、テラサイクルでリサイクル。
全国の公立学校でも回収をすすめ、使用済みプラスチック容器を回収(約9カ月で24.5トン)

●海洋プラスチックを原料に、ビジネスパートナー各社と協働
・テラサイクルが対馬で回収して作った原料を使い、パートナー企業と2017年に世界で初めてヘアケアのシャンプー容器を作った。
・海洋プラスチックを活用し、ボールペンの制作
・海洋プラスチックでリサイクル買い物カゴの制作

●廃プラを資源とした、「グラム ビューティーク リサイクルプログラム」
パートナーシップ企業と組み、容器に生まれ変えるプログラム。小泉環境大臣J4CE(循環経済パートナーシップ)で紹介。

●ロフト グリーンプロジェクト
ロフトでも同様に、スキンケアとビューティーケアのリサイクルプログラムを始めた。

Loopについて

●リサイクルだけではゴミ問題は解決できない。樹脂を溶かす→強度が変わる→同じ容器を100%作ることができないため、リユースも応援する必要がある。そのための事業として循環型プラットフォーム「Loop」を立ち上げた。

●Loopは昔の牛乳配達のシステムに似ている。メーカーが再生可能な製品を作ることを可能にし、小売業者が消費者の方々にその製品を提供する場を与える、リユースを広げるための世界的なプラットフォーム。

●1社ではできないためグローバルプラットフォーム(LOOP GLOBAL ECOSYSTEM)をつくり、オペレーションパートナーとしてメーカーや小売店など200社が参加している。

●「Loop Professional」の提案。
B2Bの仕組みとしての店舗販売のオペレーションモデル。空き容器を返却すると容器代が 戻ってくる仕組み。
【メーカーが再利用の容器に充填 ➡ 小売店 ➡ 消費者 ➡ 返却 ➡ Loopが洗浄 ➡ メーカーが再充填】まさしくループするような仕組みを目指している。

●「Loop Professional」商品の利用想定業態と期待メリット。
ホテル、サロン、オフィス、レストラン、スタジアム、ゴルフコースクラブなど。
ユーザーは回収と返却、メーカーは物流と洗浄の役割を担い、互いに協力することで リユース商品のコストダウンにつながる。
ユーザーやメーカーが多く参加することでスケールアップし、使い捨て商品と同じように 安く便利になると、継続的な成長が期待できる。

質疑応答のサマリー

◎日本においてリデュース・リユース・リサイクルが浸透するためのキーポイントは=環境意識ではなく問題意識。
◎テラサイクルとの提携について=幅広く、1人のサロンでも参加しやすいプラットフォームを開発中。夏か秋には展開する予定。
◎Loop参加の費用目安は=消費者価格や卸値はメーカーの協力で使い捨てと比べても最大10%アップ程度。
◎ヘアカラー剤の付着しているアルミチューブの再利用は=北米は数年前からスタートしている。日本でも回収してリサイクルするラインが出来ている。数社で多く回収し、選別、粉砕、洗浄することでアルミの価値を高めることが出来る。
◎海外の参考事例は=イギリスやアメリカでは学生たちがSNSを活用して広め、一般の意識が高まった。
◎再利用が不可になった物のリサイクルへの対応=Loopで回収して使えない物は、テラサイクルでリサイクルすることになっている。

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